

私たちは、今年がチェルノブイリの事故から25年の節目にあたることを踏まえ、原発の必要性を再考するべく、チェルノブイリ事故の被害者への取材を続けてきました。
そして、事故から25年目の節目の日(4月26日)に、そのドキュメンタリーを公開する予定でおりましたが、
3月11日に福島での事故が起きてしまいました。
私たちは、当初の内容を変更し、福島でも取材を重ね、このドキュメンタリーを制作しました。
本作には、原発から目をそむけないで欲しいというメッセージをこめています。
チェルノブイリ原発があるウクライナでは、現在も15機が運転されているとされ、また日本から1,000キロも離れていない中国では、70機もの原発の新設が計画されています。
事故を経験しながらも原発に依存し続ける現代文明は、未来へ先送りするしかない使用済みの核燃料のゴミ問題も抱え、今こそその可否を問う時期にきております。これから日本では、新しい原発は、もう作られないかもしれません。また日本だけで脱原発をしても、安心できる未来が訪れないという事実は、チェルノブイリと福島の事故が教えてくれます。そして、大きな原発事故の先にも希望があることも。
そのメッセージがこの映画を見たに皆さんに伝わることを願っております。


史上最悪といわれたチェルノブイリ事故から四半世紀。
事故直後、国家の首脳部たちの反対を押し切り、多くの子どもをいち早く救った最高会議の女性議長。彼女の口から語られる、避難時の新たな事実。そして、事故の被害を受けた現地の医師や教師たちから明かされる、目を覆うような現状、対して母親になる若い世代や子どもたちの、将来に対する前向きな思いが語られていく。
一方、事故後はじめての夏を迎えた福島。
被災地における復興が進みつつある中、原発から40キロ圏内のいわき市では、放射能から子どもの身を守るため、全力をつくす母親たちがいる。
外へ出ないよう、車で送り迎えされ、部屋で遊ぶ子ども。早々に出された市の安全宣言に、母親たちは疑問を持ち、同じ不安を抱える親たちとのつながりを求めていく。
そんな中でも、無邪気に遊び、明日への希望にあふれる子どもたち。
チェルノブイリの人々が語る言葉が、必ず福島の未来を照らすことになるだろう。